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国、地方を合わせて債務超過:国民経済計算




内閣府が発表した2009年度の国民経済計算によれば、国と地方を合わせた一般政府部門の正味資産は、負債が資産を48兆8千億円上回る債務超過の状態に、始めて陥ったことが明らかになった。(上の表:日本経済新聞)

内訳を見ると、政府が保有する土地や社会資本などの資産は970兆円、国債等の負債が1018兆円。資産は土地の価値が下がるなど減少する一方なのに、負債のほうは国債依存度の高まりを反映して増える一方というわけだ。

この統計は2009年度末の時点での瞬間風速を表す数字だが、これに確実な後年度負担を加味したシビアな数字を財務省が試算している。それによれば2009年度末で372兆円の負債超過になるという。

政府の台所が火の車だといっても、いまのところ国全体が沈没する恐れはない。ピークの1990年にくらべれば4分の3にまで減ってしまったが、国全体の正味資産(国富)はまだ2712兆円もある、GDPのほぼ五年分だ。

こんなところから、日本はEU諸国に比べずっと信用力が高い。国債の買い手はほとんどが日本人だし、税のシステムも、消費税率が低いなど、まだまだ弾力性がある。

だがいつまでそういってもいられないだろう。どんなに貯金があっても、実入りがなければ早晩破綻することは、子どもでもわかることだ。




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