知の快楽 哲学の森に遊ぶ
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多国籍企業の租税回避:G8が対抗措置を検討


世界を股にかけてビジネスを展開する多国籍企業。彼らにとって最大級の関心事は、いなに税金を少なく支払うかということだ。そのために、様々な工夫をしている。本社をタックス・ヘブンと呼ばれる国や地域に置くなどは、イロハのイだ。

そのほかにも色々悪知恵を働かせ、租税回避に努めているようで、最近も、その一端が表面化して問題になった。

スターバックスといえば、シアトルに本拠を置く多国籍企業で、日本にも大展開している。この企業のイギリス支社が、スイスの支社から原料のコーヒー豆を仕入れていたのだが、その価格が通常より高めであった。何故そんなことをしたかと言えば、そうすればイギリス支社の所得が低くなり、スイス支社の所得が高くなるからである。企業に対する課税率は、イギリスの方がスイスより高いから、企業全体としては、租税の負担率が低くなるわけである。

この事実が明るみに出ると、イギリスの消費者は大反発し、スターバックスを懲らしめてやるように、政府に圧力をかけた。こんなことがあって、他国籍企業に適正な税負担をさせるよう、G8諸国が共同して対処しようということになったらしいのである。

だが、イギリスといえば、自分ではやっていないが、英連邦構成国の多くのところでタックス・ヘブン政策を実施している。というより、タックス・ヘブンをやっているのは、ほとんどが英連邦加盟国だといってよい。

そんな国柄のところが、スターバックスを相手に、適正な税金を払えと要求するのであるから、どうも漫画じみたことのような気がする。




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