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初期ギリシャ哲学:ソクラテス以前の哲学者たち


ギリシャの哲学思想は、西洋哲学二千数百年の歩みにとっての土台をなしている。それはタレスに始まるイオニアの自然学の伝統と、ピタゴラスらイタリアの徒と呼ばれる人々の知的営みを二つの大きな源泉として発展した。このうち、タレスに始まる自然学の伝統は、デモクリトスにおいて一つのピークを迎える。それは自然を、自然に内在する原理に寄って説明しようとする姿勢に貫かれる。その姿勢に今日の科学的な態度の原型を認める見方もある。

        タレスの肖像 
          

これに対して、ピタゴラスらイタリアの徒と呼ばれるものは、人間の認識過程により重きをおいて思索をなした。彼らは世界の本質を物的な自然に求めるのではなく、人間の精神的な働きに求めた。彼らの教説には、神秘主義と数学への偏愛が認められるが、それらは人間の精神的・知的活動と深いつながりを持っている限り、ある意味当然のことと言えた。

ギリシャ哲学のこの二つの伝統のうち、ソクラテスはピタゴラスの徒の流れを受け継いだと言える。したがって、ソクラテス以降のギリシャ哲学の本流は、ピタゴラス的な伝統の延長上にあると考えられる。もっともアリストテレスには、プラトンから受け継いだ精神主義的な考え方とイオニアの自然学とが融合したという側面もある。そういう意味では、アリストテレスこそが、ギリシャ哲学の二つの流れを統合し、ギリシャ哲学を大成させたという位置づけになるかもしれないが、今日の主流の見方では、ギリシャ哲学はソクラテスによって堅固な土台を築かれ、以後それがプラトン、アリストテレスに受け継がれたというふうになっている。

従って今日の哲学史の常識は、ギリシャ哲学を、アリストテレスを中心にして、それ以前と以後というふうに分けるのではなく、ソクラテスを中心として、ソクラテス以前のギリシャ哲学及びソクラテス以後のギリシャ哲学に区分することになっている。ここでは、ソクラテス以前のギリシャ哲学の流れについて概観することとしたい。



タレス:最初の哲学者
ピタゴラス:合理と非合理
ヘラクレイトス:万物流転の思想
パルメニデス:形而上学の創始者
エレアのゼノン:逆説と詭弁
エンペドクレス:多元論的世界観
アナクサゴラス:ヌースの原理
レウキッポスとデモクリトス:原子論的世界観
プロタゴラスとソフィストたち




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