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フッサールと新カント派:西洋哲学史


19世紀の末に、カント・ルネサンスというべき現象が起った。これを哲学史上新カント派の運動という。フッサールもその運動につながると考えてよい。フッサールの提起した現象学は、カント同様に意識の所与としての現象から出発し、それをどのように高度の認識に高めてゆくかを課題とした限りにおいて、カントの提起した枠組の中で思考したといってよい。異なるのは、カントが不可知な存在としての物自体を想定したのに対して、新カント派やフッサールは、それを脇へ置いて、つまり棚上げして、現象をして語らしめるという態度を取ったことにある。
(フッサールの肖像)

フッサールの思想は、新カント派の影響力圏内にはとどまらず、20世紀にも引き続き多大な影響を及ぼした。直弟子だったハイデガーは、必ずしも師のフッサールに忠実だったわけではないが、サルトルとかメルロ=ポンティらに強い影響力をおよぼした。その影響力は、哲学にとどまらず社会学などの社会科学にも及んだ。

ここではそんなフッサールの思想を取り上げるとともに、それと関連させながら、新カント派にも言及したい。


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